AI(人口知能)を活用した非財務ビッグデータの調査、分析を行うサステナブル・ラボ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:平瀬錬司、以下サステナブル・ラボ)は、「社員が成長しやすい企業」のランキングTOP20を発表します。本ランキングは上場企業約2,000社が自ら開示する企業報告書やHPなどのオープンデータから収集した情報のうち、社員の成長に資する要素をスコア化し順位付けしたものです。
「成長できる企業スコア2020」について
今回発表する「社員が成長できる企業ランキング」に用いた「成長できる企業スコア」は、2,000社におよぶ上場企業の財務および非財務情報のうち、社員と企業の成長に関するデータや多様な人材が評価され活躍していることを示す情報、社会的に弱い立場にある人や就労条件に制限がある人の雇用状況などの要素を複合的に解析したものです。
また、将来を担う就職活動生や若手社員層にあたるミレニアル世代は、社会課題解決への関心が高く、社会の持続可能性と自己成長の方向性を重ねて捉えるという価値観の特徴がみられます。就職先を決める際は、給与面や事業規模などの経済的側面や安定性だけでなく、「やりがい」や「仕事を通じた成長」、「自己実現」などにも重点が置かれ、企業のSDGsへの取り組みを重視する学生も増加しています。
本ランキングでは、近年みられるそのような傾向をふまえ、企業の社会貢献に関するデータも加味してスコア解析を実施しています。
「社員が成長できる企業ランキング」TOP20
順位 | 企業名 | スコア |
---|---|---|
1 | ユーシン精機 | 57.12 |
2 | 新生銀行 | 56.84 |
3 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 55.70 |
4 | 塩野義製薬 | 55.67 |
5 | ローソン | 55.38 |
6 | 野村ホールディングス | 55.32 |
7 | 大和証券グループ本社 | 55.11 |
8 | リクルートホールディングス | 55.09 |
9 | 松井証券 | 55.07 |
10 | コーセー | 55.94 |
11 | 三菱自動車工業 | 54.83 |
12 | りそなホールディングス | 54.80 |
13 | ソニー | 54.77 |
14 | ゆうちょ銀行 | 54.75 |
15 | エムスリー | 54.63 |
16 | 日本郵政 | 54.62 |
17 | 富士通 | 54.57 |
18 | NTTドコモ | 54.44 |
19 | かんぽ生命保険 | 54.32 |
20 | SOMPOホールディングス | 54.19 |
第1位の株式会社ユーシン精機や第2位の株式会社新生銀行をはじめ、ランキング上位企業における最も顕著な傾向として、取締役会メンバーや執行役員における女性の割合が高いという特徴がみられました。企業経営に関わる意思決定機関である取締役会や、重要な業務執行の権限を持つ執行役員において男女比が同等に近い組織体制は、多様な社員が成長し活躍しやすい環境の整備が進んでいることを表す指標と捉えることができるでしょう。
上位企業の具体的な取り組みの代表事例
【新生銀行の取り組み】
新生銀行は2019年度の女性管理職(係長以上)比率が32.7%の高水準でした。また、多様なキャリアの推進·活用を促進する観点から、大手銀行初となる副業·兼業を解禁しています。さらに社員個人のライフステージに応じた多様な働き方やキャリア形成をサポートする3年間が上限の休職制度を設け、留学、介護や子育て、不妊治療、配偶者の転勤などの事由で一時休業してもキャリアを継続しやすい環境を整備しています。
【野村証券ホールディングス】
野村グループでは新卒·中途採用時や管理職研修においてダイバーシティ推進研修を実施。女性社員に向けてキャリア支援研修や女性管理職へのメンタリング·プログラムを取り入れています。ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(一体性)に力を入れるとともに、女性社員のキャリア形成をサポートし、女性リーダーの育成と管理職登用を推進しています。
【リクルート·ホールディングス】
社員の強みや課題に対しより適切な仕事やポストを検討する「人材開発委員会」を1年に2回実施。組織全体で人を育てる基盤となっています。さらに社員自らの意思と人材を求める事業部のマッチングによって部署異動が成立する「キャリアウェブ制度」は、社員のが挑戦する機会を増やし成長を促す制度です。
他にも、上位企業は税引前利益やEBITDAに対する地域社会活動費が高いことや、従業員一人あたりの人件費が高い水準であるなどの傾向がみられました。
また、上位企業の業種は銀行、証券、保険などの金融業が多い傾向で、将来的なビジネス成長を推進する金融業が社員成長の面でも他業種をけん引している様相を伺うことができます。
※AIを活用し企業·都道府県の非財務/SDGsデータをスコア化したオンラインデータバンク「テラストβ」で様々なランキングをご覧いただけます。